藁シリーズ一覧「1号~20号」

「藁」の創刊号は昭和61年でした。しかし、2年後の第7号以降、平成28年3月まで休刊しておりました。現在の冊子「藁」には、かつての冊子「藁」を継承する思いをも込めながら、「藁の文化」に関する情報の吹き溜まりを目指し、ほぼ月刊誌のかたちで刊行しています。

各号A4版20~24ページです。
各号の表紙写真、前書き、目次は、次のようです。

「藁」第1号は、PDFで、その全容を閲覧できます。
ぜひご覧ください。

冊子「藁」は、「藁の文化」に想いを抱く方々みんなでつくりあげていく刊行物です。「藁の文化」に関するさまざまな情報、玉稿、写真などを、下記の藁の文化研究会事務局にお寄せください。

冊子「藁」の刊行は、皆様からのご寄付に支えられています。「藁の文化」に想いを抱かれている皆さまのお気持ちを、冊子「藁」刊行のご支援に向け、お寄せください。

2,000円以上のご寄付をいただきました方には、「藁の文化研究会」の賛助会員として登録させていただき、冊子「藁」(1年間10号分)をお手元にお送りいたします。なお、ご執筆の玉稿を掲載させていただいた号は、寄贈させていただきます。

ご寄付はこちらから

wara-books01藁 第1号

平成28年3月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

昭和61年1月15日の創刊号から昭和63年1月15日の第7号まで2年間刊行してきた『藁』は、今日までの28年間、休刊しておりました。近代化・工業化のうねりのなかで消えていった「藁の文化」を、いま再び、私たちは思索し、その今後を見据え実践していく必要があるのではないか。

深遠でとてつもなく広大な「藁の文化」に関する情報を多くの方々と交換し、それらが積もり積もって、やがて上昇気流となり、あるべき風土と文化の共通認識に通じていくのではないか。『藁』は、「藁の文化」に関する情報の吹き溜まりをめざします。

第1号PDF版はこちら(PDF閲覧無料)

目次

  • 表紙: 寒椿 写真と文:宮崎清
  • 藁の文化史―日本人の暮らしに果たした藁の役割  宮崎清
  • 文化をつくったコメ―藁(わら)にみる生活の知恵  宮崎清
  • 一通のメールをいただきました。
    それが秋田県美郷町「わらの文化」入門の集いにつながりました MK
  • 「わらの文化」入門の集い 写真曼荼羅
  • 稲作文化=わらの文化 田口宗平
  • 「わらの文化―入門の集い」に参加して 佐藤厚行
  • 「藁」が結ぶ出会いに感謝  常田純孝
  • 「藁」を通じて新しい時代の文化を育てる 宇治醇
  • 「藁」を面白く知らせるならこんなことをしたい 高橋和克
  • 「ワラ」のマスコット人形 MK
  • 「わらの文化」入門の集い 写真曼荼羅
  • 深遠で広大な「藁の文化」の探究と実践に向けて MK
  • 美郷町本堂城回区の藁人形・鍾馗様
wara-books01藁 第2号

平成28年4月8日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

タンポポ。踏まれても、踏まれても、枯れることなく、冬の寒さを乗り越え、暖かな陽気が訪れると、顔を出し、可憐な花を咲かせる。そんな小さなタンポポの姿を眺めていると、日本人のDNAともいえる「藁の文化」に想いが及ぶ。踏まれても踏まれてもタンポポが強いのは、地中に長い長い根を張っているからだといわれる。

それと同じように、時代の表層は大きく変わっても、私たちの心の奥深いところには「藁の文化」が明確に存在し、いぶし銀のような光を放っている。それゆえに、「藁の文化」は日本人のDNAとして今日もなお息づいている。

目次

  • 表紙: タンポポ 写真と文:宮崎清
  • 「藁の文化」とその復権  宮崎清
  • 「史」の再認識  宮崎清
  • 藁からのメッセージ一米づくり、土づくり、生活づくりの礎  宮崎清
  • 「わらぼー」の造形  写真曼荼羅
  • 藁との交わりを媒介とした美育  宮崎清
  • 藁絵の腰壁 MK
藁 第3

平成28年4月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

藁縄に目を近づけてじっくり眺めながら、鉛筆でスケッチしてみました。また、縄の切れ端を一部ほどいてみました。藁稈の繊維が長いままにしっかりと生きていて、互いに絡まりながら縄になっています。

数本の藁打ちされた藁稈が綯われた太さ10ミリの縄はおよそ60キログラムの力にも耐えることができます。藁縄をつぶさに眺めていると、その強さのよりどころがわかるようにも思えてきます。

目次

  • 表紙: 藁縄スケッチ 図と文:宮崎清
  • 「お米の文化」からメッセージ  宮崎清
  • 「歴史的文脈」としての「ワラボー」の展開 宮崎清
  • 藁のある風景 宮崎清
  • ハイテクとローテク―異質なものの共存を図る芸術の必要性  宮崎清
  • 農の思想の復権としての藁の文化  福島県三島町さいのかみ写真 宮崎清
  • 作品:藁の額絵 千葉大学宮崎清研究室学生
wara-books01藁 第4号

平成28年5月1日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

背中当ての首にかかるところの写真です。実に規則正しく、しっかりとした編み組みがなされています。機械で編まれたような精緻さです。でも、機械で編み組みされたものではありません。人間の手によって、編まれたものです。

機械編みでは出せない、優しさが感じられます。人間味が漂っています。藁の文化の主人公は、なんと言っても私たち人間です。

目次

  • 表紙:背中当て編組  写真と文:宮崎清
  • 藁の会発足  長瀬公秀
  • 藁の会の活動 欠かし人形 しめ縄リース ミゴほうき 馬
  • 「いまも昔も藁って展」について  野崎克
  • 馬市まつり  長瀬公秀
  • 「藁の会」と私  野崎美幸
  • 退職したら何かやる予定がありますか?の一言から始まった  中澤隆
  • しめ縄つくり  尾野あかね
  • 「藁の魅力」  新岡豊子
  • 藁を通して  今和弥
  • 「藁」との出会い  対馬逸子
  • 藁の「かまりこ」に魅せられて  野崎秋子
  • エコフィッシュ  尾野宏裕
  • 藁燻炭をつくって水質浄化してみよう!  写真構成:宮崎清
  • 地域の生活環境を救う藁・籾殻  宮崎清
  • 多孔質構造porous medium    写真構成:宮崎清
  • 浮世絵師・歌川広重が描いた馬の草鞋(わらじ)  写真構成:宮崎清
藁 第5号

平成28年6月22日 「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

『農業図絵』。加賀(現在の石川県)の土屋又三郎が享保2(1717)年に著した江戸時代の庶民生活図絵。全三冊に、一年間の行事、暮らし、農耕の様子が克明に描かれています。後年所蔵者によって「加賀農耕風俗図絵」と名づけられたのだそうです。

家族総がかりで、藁打ち、縄綯い、莚編み、薦編みなどの藁仕事が行なわれています。仕事する人びとの姿が生き生きと描かれています。

目次

  • 表紙: 『農業図会』に描かれた藁仕事  文:宮崎清
  • 見沼田圃周辺の藁塚「フナノ」の復元にかかわって  島田由美子
  • 藁塚「フナノ」の写真
  • 藁塚「フナノ」紹介の新聞記事
  • 見沼田んぼの文化遺産・「フナノ」保存会運営申し合わせ
  • 「藁の文化」の輪郭―日本文化の原風景としての「藁の文化」  宮崎清
  • 作品:常楽我浄 藁縄を素材とした造形  吉田直代
  • 正月のお飾り 東京銀座ポケットパーク展示会パンフレット
  • お便り:佐藤寿洋  秋田県仙北郡美郷町教育委員会教育長・福田世喜
  • お便り:笹島寿美  田口宗平  東明美/藁筆展
藁 第6号

平成28年7月5日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

大場兼雄さんの『兼雄が書く東北地方の藁細工文化史・一字一句思儘書』は、北国でその幼少時代を送った兼雄さんがこの世に残された「愛の書」です。兼雄さんは、晩年千葉県八千代市勝田台に居を構え、公民館活動に情熱を傾けられました。

子どもたちに「藁の文化」を伝えようと、藁細工教室を開設されました。使い古しのカレンダーの裏面に巧みな絵と説明を墨書きし、それを掲示して、「藁の文化」の尊さを説かれました。

目次

  • 表紙: 『兼雄が書く東北地方の藁細工文化史・一字一句思儘書』  文:宮崎清
  • 日本人を考える上でルーツにあるもの  美郷町町長・松田知己
  • 日本人の眉は何だろう  宮崎清
  • 私が書く藁細工文化史 一字一句思儘書  大場兼雄
  • 飛騨の藁工房  宮崎清
  • 藁の絵葉書  宮崎清
  • 発泡スチロール箱を用いたコメづくり
    ―農地が皆無の浦安における挑戦 江澤尚武
  • お便り:N  匿名の方から  匿名の方に  福田世喜
藁 第7号

平成28年7月25日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

Tatung University(大同大学:)は、1956年に台湾台北市中山区に設置された私立大学で、デザインの実践教育が盛んです。

千葉大学の私の研究室に籍を置いて学術博士号を取得された留学生が、大同大学の教員になり、大学院学生たちとともに、大量に産出される藁を活用し、私的のみならず公共的空間に設置して使用していただきたい椅子を制作提案してくれました。

目次

  • 表紙: Straw Application Products in Taiwan   文:宮崎清
  • 秋田県における「藁の文化」をめぐる現状について 宮元康男
  • 鍾馗様の制作について  進藤晃成
  • わら細工収集の経緯と今後に期待すること  一ノ宮繁
  • 美郷町歴史民俗資料館に足を運んで  一ノ宮繁
  • 台湾におけるワラ材料を活用した商品開発  羅彩雲
  • ワラの文化 日本における第二の米・藁の文化を考える
    講演記録 宮崎清
  • お便り:田口宗平、島田由美子、N、高橋和克、谷口岩雄様著書上梓
藁 第8号

平成28年8月8日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

山形県東田川郡藤島町では、1990(平成2)年11月3日より、毎年「日本藁文化大祭」が行なわれています。その基になったのは、1985年(昭和60)年に庄内たがわ農協藤島支所内に組織された有機農業研究会と藁細工研究会でした。

21世紀が間近になるなかで、これからの農業のあり方を探究したのです。その帰結が、化学肥料に頼らない有機農業と、日本における伝統的農業の基底を貫いてきた藁の文化でした。

以来、藤島町では「稲作文化は藁の文化」の哲学と実践が保持・継承されています。

目次

  • 表紙 山形県東田川郡藤島町「日本藁文化大祭」パンフレット 文・宮崎清
  • 藁文化は稲作文化 小野寺勇治
  • 山形県藤島町における藁文化の展開曼荼羅  資料提供・小野寺勇治 編纂・宮崎清
  • 山形県藤島町における藁文化の展開 新聞記事  資料提供・小野寺勇治
  • 藁細工雑記  斎藤晃輪
  • ふるさと運動の記  宮崎清
  • 「ないない尽くし」からの出発―「人心の華」としてのふるさとづくり  宮崎清
  • 台湾・草鞋墩の活動  宮崎清
  • キーワード言の葉:ブリコラージュ―素材も、技術も、思いも、今に生きる  宮崎清
藁 第9号

平成28年9月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

1976(昭和51)年、ドイツのミュンヘンにて「デザインと生態学(Design und Ecologie)」をテーマとした国際手工芸展(Internationalen Handwerksmesse Munchen)が開催されるとの連絡が当時の経済産業省製品科学研究所からあり、日本からの展示の発案とまとめを私が仰せつかりました。

大急ぎで「日本における生態学的意匠・藁の文化」と題する論文をまとめるとともに、若干の実物・写真などを主催者に送りました。一ヵ月後ほど、上のミュンヘンにおける展示会の写真とともに、最高栄誉賞の証書が送られてきました。

「藁の文化」などに関心を寄せることは当時の日本ではほぼ皆無であったので、西欧におけるその評価に驚愕いたしました。この経験が、「藁の文化」研究会の開設に繋がっています。

目次

  • 表紙  Internationalen Handwerksmesse Munchen EXEMPLA’76   文・宮崎清
  • Exempla’76  Okologie und Handwerk Japan 解説・宮崎清
  • 対談 ワラに寄せて 井出孫六 宮崎清 解説・宮崎清
  • 韓国に藁を尋ねて 五十嵐潤
  • 韓国の藁文化曼荼羅 写真・構成 宮崎清
  • クツとハナオ 片山陽次郎
  • 写真 藁馬づくりをする真剣なまなざし
藁 第10号

平成28年11月13日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

山梨県小淵沢町の玄関である中央自動車道小淵沢インター横の広場に、高さ約6メートルの藁馬をつくりました。昭和59(1984)年、小淵沢町にて、シンポジウム「ものを通してみた生活文化の変遷・山里編/ワラを中心として 小淵沢町の集い」を開催しました。

当時日本一大きいといわれたワラ馬は、そのシンポジウムを記念して、地元の方々のご支援を得ながら、千葉大学の私の研究室の学生たちが総出で制作したものです。写真は、山梨日日新聞に大きく掲載されたものです。

目次

  • 表紙 1984年山梨県小淵沢町シンポジウム・モニュメント 藁馬 文・宮崎清
  • 山坂の田んぼを相手にこつこつと作業しています 大橋チエ子
  • 天文年間の『救飢食製法』にみられる藁の食法 田中國昭氏提供古文書資料 宮崎清
  • 積み重ねられてきた生活文化の表象 宮崎清
  • 「移動教室」における草履づくり 阿部直子
  • 「畚(もっこ)」づくりに精出した祖父 論語にも同じ教えがありました  宮崎清
  • 「お米の文化」からのメッセージ 宮崎清
  • 写真曼荼羅:山形県藤島町における第27回ワラ文化大祭  藤島町藁工芸部会
  • セチ納豆 古川利意
  • 作品:東明美さんの藁筆
  • お便り:秋田県美郷町長・松田知己
藁 第11号

平成28年12月18日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

千葉県船橋市中野木には、2月初午の日に、ツジギリと呼ばれる行事が伝えられています。戸数30戸の古くからこの地に居住してきた農家の方々は、氏神社に集まって、1対の雌雄の大きな藁蛇と、小さな藁蛇とをつくります。

制作が終わると、東西の組に分かれて大きな藁蛇を抱えて行進し、東組は東のツジの大木に、西組は西のツジの大木に藁蛇を掛けて合掌し、集落に災厄をもたらすものが入ってこないように願い、次いで、各家々のカドに小さな藁蛇を掛けて祈ります。集落の平安を願い、豊作を祈念する伝統行事は、稲藁なくしては成り立ちません。

目次

  • 表紙 千葉県船橋市中野木で行なわれる2月初午のツジギリの大蛇 文・宮崎清
  • 藁の大蛇神―ミチキリ・ツジギリ行事について 宮崎清
  • 素材形状をとどめない藁の活用:「燃料」「肥料」「工芸品制作」 宮崎清
  • 見沼たんぼのフナノ 島田由美子
  • 奥会津三島町間方からのたより 菅家壽一
  • わらの文化」交流の集い 開催 平成29年3月4日(土)秋田県美郷町
藁 第12号

平成29年1月5日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清
藁が肥料、飼料、燃料、敷物、詰物、細工物、結束材、緩衝材、包装材、釉薬、屋根葺材などに広く活用されるためには、稲の収穫方法が穂刈りから根刈りに変わらねばなりませんでした。

平安中期にはこの根刈り収穫法が広く一般にも定着していたとみえ、『枕草子』には、8月晦日ごろ太秦に参詣する途中の叙景として、長柄の鎌で根刈りする様子が記されています。

目次

  • 表紙「おめでとうございます」イラスト
  • 「藁の文化」の形と心-日本人の祈りの文化としての「藁の意匠」 宮崎清
  • 絵巻物のなかの藁 一物全体活用の知恵 「藁の文化」の要因
  • 囲炉裏と藁 養(やしない)生産場としての住居 「導具」としての「道具」
  • 「稔(みの)り」の象徴としての藁 標としての注連縄  創造力を内包する藁
  • 輪廻転生の文化 「藁の文化」の美学 「藁の文化」の心をつなぐ
  • イラスト 新穀奉納の藁苞 宮崎清
藁 第13号

平成29年1月8日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

延亨(1744~1747年)ごろに描かれたとされる長者宅の豆撒き。邪気を追い払うために、平安時代の9世紀末ごろから、節分には豆撒きが行われるようになったという。

鞍馬山に出た鬼が都を荒らすので、3石3升の大豆で鬼の目を打ちつぶしたとされる。長者の家の門口には、2本の松が立てられ、注連飾りがわたされている。当時の節分・豆撒きは、正月行事であったことをうかがわせる。

目次

  • 表紙 長者豆まきの図 延亨頃 38×49cm 作者不詳 文・宮崎清
  • 数の子飾り 金沢城橋爪門一の門の注連飾り  道念邦子
  • 藁からのメッセージ 宮崎清
  • 祈りの意匠 愛の意匠 慈しみの意匠 迎えの意匠 包みの意匠
  • 定年退職者の「晴耕雨読」生活とその魅力―里山におけるコメ作り体験から
    鈴木直人詩: 「藁」小坂太郎 抜粋
藁 第14号

平成29年1月18日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

団子さし。奥会津三島町では、小正月行事のひとつとして、ミズノキの小枝に色とりどりの団子の花を咲かせる、団子さしを行ないます。

1年のはじまりに、豊かな恵み・収穫を願い、あらかじめ祝う行事です。人びとの心からの願望は、叶えていただけることでしょう。そんな、一年であってほしいですね。

目次

  • 表紙 奥会津三島町の小正月行事・団子サシ 宮崎清
  • 絵巻物にみられる藁の文化-「職人尽歌合絵巻」を中心にして立部紀夫  宮崎清
  • 近世初期京都を中心とした藁の文化 『日葡辞書』「初期洛中洛外図」 立部紀夫 宮崎清
  • 写真:注連縄曼荼羅 宮崎清
  • 作品:正月飾り 重野好正
藁 第15号

平成29年1月25日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

藁沓。私たちは、頭から足の先まで、藁にご厄介になってきました。藁の活用は私たちの生活の全面に広がっていましたが、なかでも、往時の日本における衣生活は藁なくして成立ち得なかったほどに、いわば藁尽くめであったといえるでしょう。

しかも、個々の藁の生活用具の呼び名、つくり方、使い方、意匠などが、地域独自でしたから、まさに多様で豊かな文化でした。住民たちが風土に対応して自ら創造してきた藁の文化が、全国各地に花開いていました。

本号では、秋田県に花開いた藁沓の豊かな文化を、ご紹介いただきました。

目次

  • 表紙 秋田県に花開いた藁沓の豊かな文化 写真:宮本康男
  • ワラグツとその周辺-秋田の藁の履き物から 秋田県立博物館 宮本康男
  • 藁との出会い 江澤 尚武
  • 次代に伝えたい「ものづくり」の伝統文化 宮崎清
  • 畳と靴脱ぎ―靴を脱がせた藁 宮崎清
  • 月と地峡を36往復 宮崎清
  • 作品:正月飾り  重野好正
藁 第16号 

平成29年3月4日「藁の文化」研究会
編集:宮崎清

秋田県美郷町「わらの文化交流の集い 特別号
「わらはお米の親だもの」わらからのメッセージ

「米は八十八手」と言われ、一粒のお米を手にするまでにも実に多くの手間がかけられました。一面に実った稲の波をみて、私たちは、その色を「黄金色(こがねいろ)」と呼んできました。この黄金色の波を生み出してくれるのが「わら」です。「わら」は「お米の親」として、大切にされてきました。

目次

  • 表紙  「米は八十八手」 宮崎清
  • わらはお米の親だもの―わらからのメッセージ宮崎清
  • 「藁の文化」に憑かれて 「稲の文化」の発祥と日本への伝播
  • 「藁の文化」の要因 「藁の文化」の生誕  稲の副産物利用
  • 「藁はお米の親だもの」 藁の絵を描けない青年たち
  • 農夫が描く藁は「絵が生きている」  一物全体活用
  • 生活の全領域にわたって制作された藁の生活用具   創造力を内包する藁
  • 「導具」としての「道具」   煙発生装置としての囲炉裏と「藁の文化」
  • 囲炉裏まわりと莚    土から生まれて土に戻る「藁の文化」の循環
  • 万人の造形文化 藁を燃したら笑われる  「日本の顔」「地域の顔」
  • 「ないない尽くし」からの出発 ― 「人心の華」としてのふるさとづくり 宮崎清
藁 復第17号

平成29年3月31日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

藁筆づくり。3月4日(土)、秋田県美郷町主催「わらの文化」交流の集いが行なわれました。町内外から訪れた150人余の方々は、講演会および事例報告に参加した後、藁筆づくりにチャレンジしました。

根刈りした長稈の藁に触れるのが初めての方や久しぶりの方も多く、藁の香に包まれながら、みごを抜き、穂先を叩き、束ねてしばり、藁筆を制作。そして、自作の藁筆で、用意された大型の和紙に、思い思いの言葉を描きました。会場には嬉しそうな顔、顔・・・。

目次

  • 表紙:藁筆づくり 写真:高橋和克   文:宮崎清
  • 「わらの文化」交流の集いプログラム 秋田県美郷町
  • ポスター  「わらの文化」交流の集い
  • 図録:秋田県美郷町「わらの文化」交流の集い 高橋和克  吉川渉 常田純孝 宮崎清
  • 稲垣「藁の会」 長瀬公秀(青森県稲垣藁の会・事務局)
  • 稲垣「藁の会」 野崎克行(青森県稲垣藁の会・会長)
  • 新聞記事:秋田民報 秋田魁新報
  • 美郷町「わらの文化」交流の集いに参加して 吉川渉(うらやす市民大学)
  • 2017年美郷町「わら文化」に参加して 尾澤千鶴子(蘖の会)
  • 美郷町の「わらの文化」に参加して 中野房子(蘖の会)
  • 美郷町の「わらの文化」に参加して 御厨真澄(蘖の会)
  • 美郷町の「わらの文化」に参加して 柿沼千里(蘖の会)
  • 藁が結ぶご縁で皆様との再会 常田純孝(うらやす市民大学)
  • 「わらの文化」交流の集いに参加して 佐藤厚行(うらやす市民大学)
  • 「わらの文化」交流の集い感想  奥山 智佳等(秋田県美郷町美郷町)
  • 往復書簡:福田世喜教育長←→宮崎清
  • 新聞記事 わら細工文化継承を
  • 写真曼荼羅 :美郷町歴史民俗資料館展示
藁 第18号

平成29年6月20日 「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

雪の下から顔を出したスイセン
福島県三島町は奥会津に位置する山間の地です。

今年は降雪の日々が続きました。そんな中にも、眠っていたスイセンの球根が、雪を除けて伸び始めました。
4月8日撮影   写真 :菅家壽一 (福島県三町間方 )

目次

  • 表紙  雪の下から顔を出したスイセン 写真:菅家壽一
  • 「美郷わらの会」発足の経緯 高橋久一(「美郷わらの会」会長)
  • たより 2017美郷町「わら文化」交流の集いに参加して
    ・野崎克之(稲垣「藁の会」会長)
    ・野崎美幸(稲垣「藁の会」)
    ・野崎秋子(稲垣「藁の会」)
    ・長瀬公秀(稲垣「藁の会」事務局)
    ・今和弥(稲垣「藁の会」)
    ・小埜寺勇治(藤島町)
  • たより 心の広さ自由さが手に伝わり生まれる藁の作品
    「藁」17号を拝見して 一ノ宮繁(「美郷わらの会」)
  • 往復書簡   できるだけ普段使いの「普通のもの」の情報を遺したい
  • 宮本康雄(秋田県立博物館))←→宮崎清
  • たより 雪国からのたより 菅家壽一(福島県三島町間方)
  • 食米・揉稈 宮崎清・撰 李宜欣・編譯
藁 第19号

平成29年6月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

「わら天神」
雨模様でしたし三脚を持っていなかったので、ぼやけた映像になってしまいました。

私たち日本人は「藁」にいろいろご厄介なっているのに、藁を祀る神社はないのかと探っていましたら、京都にありました。京都市北区衣笠天神森町の俗称「わら天神」です。

護符は和紙に包まれた「わらしべ」。その「わらしべ」に節があれば男子、なければ女子を授かると言い伝えられているとのことです。

目次

  • 表紙  「わら天神」 写真・文:宮崎清
  • 写真情報 「宮ノ前の二組のオシドリ夫婦」 菅家壽一(福島県三島町間方)
  • 稲之心 禾稈的文化生態意義  宮崎清・撰 李宜欣・編譯
  • Agriculture++稲わらはじまる農デザイン
  • One straw change the world  曽和具之(神戸芸術工科大学)
  • 生活文化とまちづくり 地域づくりの子育てを目ざして
  • 花見川団地における「ものづくり」運動 宮崎清
  • 新潟県南魚沼市山谷の青木喜義さんが作品を送ってくださいました
  • 我が家の歴史 宇津野隼千(千葉市浦安市)
  • 縄文時代の非藁工芸が今日もしっかり息づいています 福島県三島町生活工芸
  • 夢あふれる藁の活用
  • こんなものできないかな こんなものあったらいいな
  • 「フナノ」の復元活動 島田由美子(NPO法人「見沼ファーム21」)
藁 第20

平成29年7月29日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

大韓民国慶尚北道安東市河回村(ハフェマウル)の
ユネスコ世界遺産登録藁葺民家

韓国博物館の理事、樋口雄一様がこの美しい写真を送ってくださいました。ユネスコの世界遺産に登録されているそうです。

韓国の農村地域の草葺き屋は、秋収穫時に入手できる藁を積み重ねていく方式をとっていますので、旧家になればなるほど、丸くこんもりした藁屋根になります。周囲の景観にも溶け込んで、何ともいえない美しい田園風景を伝えてくれています。

目次

  • 表紙 大韓民国慶尚北道安東市河回村(ハフェマウル)のユネスコ世界遺産登録藁葺民家
  • 写真:樋口雄一 文:宮崎清
  • 柳田國男が描いた「藁細工」 村のすがた1948年より  宮崎清
  • 遊びにみられる「藁の文化」  宮崎清
  • Tajikの人びとの麦の収穫風景 黃秀梅(雲林科技大學設計學院博士生)
  • わら天神 その由来 既設の解説書等から   宮崎清
  • 日本わら文化音頭 作詞 : 大久保辰吉 (JA庄内たがわ農協藁工芸部会 初代会長)
  • 書評 藁Ⅰ・Ⅱ 宮崎清  法政大学出版局 1985 張瑋琦
  • たより ありがとうございます

 

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