藁シリーズ一覧「21号~40号」

冊子「藁」は、「藁の文化」に想いを抱く方々みんなでつくりあげていく刊行物です。「藁の文化」に関するさまざまな情報、玉稿、写真などを、下記の藁の文化研究会事務局にお寄せください。

冊子「藁」の刊行は、皆様からのご寄付に支えられています。「藁の文化」に想いを抱かれている皆さまのお気持ちを、冊子「藁」刊行のご支援に向け、お寄せください。

2,000円以上のご寄付をいただきました方には、「藁の文化研究会」の賛助会員として登録させていただき、冊子「藁」(1年間10号分)をお手元にお送りいたします。なお、ご執筆の玉稿を掲載させていただいた号は、寄贈させていただきます。

ご寄付はこちらから

藁 第21号

平成29年8月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

この田は、いつ頃から、あるのだろう。この土とともに、どれだけの命がめぐり、いかし、いかされ、生きてきたのだろう。

地域のおじいさんおばあさんに、昔はどうしていたか、伺ったり、文献から学び、実践してみたり。培われてきた文化を、なんとか、これからも受け継いでいこうと、藁を掴み、今日も励んでいます。

目次

  • 表紙  この田は、いつの頃から、あるのだろう。  写真と文:入江徹也
  • いまにつぐわら  天下野(けがの)の凍みこんにゃく  佐藤高志
  • 大正時代初頭ごろの農家副業としての藁細工 「日本の副業」に描かれた様相    宮崎清
  • 「出会い」「気づき」「担い」 私のささやかな体験を通して   宮崎清
  • 「藁の文化研究会」のホームページが立ちあがりました
  • 「藁の文化研究会」のホームページを通じて素晴らしい情報をいただいています。
  • たより 世界遺産の相倉合掌集落を巡るなかで   前田智幸
藁 第22号

平成29年9月25日 「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

焼き物の苞(つと )

非日常のハレに用いる焼き物は、藁の容器のなかで大切に保管されました。必要に応じて 藁の容器のなかから外に出て、焼き物皿にごちそうが盛られたのです。

目次

  • 表紙 焼き物の苞(つと) 写真と文:宮崎清
  • 「内発的地域振興」の視座と方法  宮崎清
  • 宅話『藁からのメッセージ」藁の文化から私たちが学ぶこと 宮崎清
  • アーカイブ 斜面 2011.8.8
  • アーカイブ 日本的稲草文化
  • アーカイブ どこに消えた藁 昭和61年3月6日 毎日新聞
  • アーカイブ 農の伝統文化を時代に 昭和61年3月6日 毎日新聞
藁 第23号

平成29年11月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

籾殻粘土で制作した器

籾殻と米粉と水とを攪拌してできるものを、私は籾殻粘土と呼んでいます。
米粉がつなぎの役割を果たしてくれるので、乾燥すると堅く凝固し、しっかりた造形物を制作することができます。

目次

  • 表紙  籾殻粘土で制作した器   写真と文:宮崎清
  • いまにつぐわら  月ヶ瀬(つきがせ)の烏梅(うばい) 佐藤高志
  • 朽木村におけるワラの文化  宮崎清
  • 失われつつある「わら」の文化 美郷町広報 11月号
  • 藁文化を守るための取り組み 美郷町広報 11月号
  • 45年も過ぎているのに直近のごとくに薄緑の色が残っている稲藁   宇津野隼千
藁 第24号

平成29年11月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

山形県藤島町藁工芸部会制作の獅子頭

1990(平成2) 年より「日本藁文化大祭」を催してきた、
庄内たがわ農協藤島支所内の藁細工研究会では、
催事の折々に手づくりの獅子頭を登場させて、獅子踊りを披露している。

その獅子頭は、藁づくめである。たくましい生命が宿っているかのようである。

目次

  • 表紙  山形県藤島町藁工芸部会制作の獅子頭  文:宮崎清
  • 稲ワラ 生活文化を伝える「第二の米」   宮崎清
  • 近代的包装技術の原点は藁苞にあった    宮崎清
  • 藁苞に表象される生活と価値観    宮崎清
  • 山海の幸を包み輸送されてきた「俵物」:藁のパッケージ    情報提供 : 宇治 醇
  • 縄の精神文化  寺本躬久
  • 異彩を放つバンドリ   宮崎清
  • 藁細工界の人間国宝の作品を紹介します 私の師匠の作品   水野雅広
藁 第25号

平成29年11月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

鸺鹠、枭、猫头鹰、夜猫子、鸱鸺、猫頭鷹(フクロウ)

創作:洪美鈴さん。

台湾中部の「草鞋墩」「草屯」地域では、郷土文教協会を組織して、藁工作活動を積極的に展開しています。

山形県藤島町や青森県稲垣村などとの親交も古くから行なわれています。私もこれまでに何度かうかがっていますが、そのたびごとに、藁工作教室に訪れる方々が、談笑しながら、それぞれの工作にいそしんでいる姿に感動を覚えてきました。そこからは、藁への愛情の発露ともいえるさまざまな作品が生み出されています。創作 :洪美鈴さん。

目次

  • 表紙 鸺鹠、枭、猫头鹰、夜猫子、鸱鸺、猫頭鷹(フクロウ)  作:洪美鈴  文:宮崎清
  • ご無沙汰いたしております。秋田県立博物館の「藁文化」の最近の動向です。宮本康男 (秋田県立博物館)
  • 「豊かさ」とは多様な価値の共存   宮崎清
  • 最高の藁布団で、最高の贅沢を  高橋和克
  • 箸とらば自然の恵みと祖先や親の恩を味わえ。いただきます  宇津野隼千
  • 「藁の力」と「縄の力」 八木マリヨさんの造形世界    宮崎清
  • すごいぞ祖先の知恵 アーカイブ 日本農業新聞
  • 草屯・草鞋墩の稲草工芸活動 宮崎清
  • アーカイブ 今日の問題 藁(わら)  1986年1月 朝日新聞
  • アーカイブ 今日の顔 「わらの文化」復活を唱える 1986年3月 読売新聞
  • お母さんが片手にかざす藁の生活用具 何でしょう   宮崎清
藁 第26号

平成29年12月20日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

ゲンベイ

福島県三島町で内履き、周辺の外履きなどとして活用されてきた藁の浅沓です。藁草履を台にして、前半分に被甲のツマをつけ、後方部には幅3センチほどの踵当てが帯状にめぐらされています。ツマに藁の葉・ハカマ・クタダを詰めて、爪先が冷えるのを防ぎます。結氷した路上や雪道を滑らずに歩くのにも、藁の履物が活躍しました。

目次

  • 表紙 ゲンベイ 写真と文:宮崎清
  • 住まいと敷物の歴史 概説   宮崎清
  • ふじしま第28回日本藁文化大祭 写真曼荼羅
  • 平成29年10月29日開催 伊藤隆 小野寺勇治
  • ふじしま藁工芸部会の地域活動   小野寺勇治
  • いくつかの藁筆の図像    東明美とその仲間たち
  • 銀座で藁工作を楽しむ
藁 第27号

平成30年1月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

大木に新しい注連が飾られています。正月には、よく目にする光景です。そんな光景を目の当たりにして、私たちは何事か心の中で祈りを捧げます。

注連飾りは「標」(しるし)です。神様に「ここに来てください」「ここに降りてきて宿ってください」と願う目印なのです。また、「ここには神様が宿っていますよ」と人びとに知らせる標なのです。

私たちは、古くから、身の周りのさまざまな生物や無機物などに神霊が宿っているという観念を抱いてきました。また、神麗は物によりついて示現(じげん)されると考えてきました。この大木は、神麗が寄り付いている、依り代・憑代なのです。

「汎霊説」(animism)と呼ばれてきたこの観念は、私たちの生活のあり方、生活環境の構成などに、今日でも貴重な示唆を与えてくれるものとして、継承していくことが大切と思われます。[写真:水野雅広] [文:宮崎清]

目次

  • 表紙 依り代・憑代の標としての注連飾り  写真:水野雅広 文:宮崎清
  • 鳥居型注連飾りの復元   水野雅広(神楽師 倉谷仙太郎)
  • 歴史資料にみられる鳥居型注連飾り   宮崎清
  • 福島県三島町間方の「藁の文化」 写真による一年の回顧    菅家壽一
  • 福島県三島町間方の小正月の「田植え」  菅家壽一
  • 祈りの意匠 奥会津三島町の小正月行事:雪中田植え・サイノカミ    宮崎清
  • 花宅に老人の記憶「海際の草鞋」  洪 瑀蓁(雲林科技大学大学院)
藁 第28号

平成30年2月8日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

稲藁篭底部の蜘蛛の巣編み

胴部は菰編み台を使っての双子編み、底部は胴部を収束していく蜘蛛の巣編み、縁はツグラ(哺育籠・嬰児籠)や円座づくりなどで用いられる組編み、これらから構成されている稲藁の篭。

本誌16~17頁に、「もったいない」の想いで藁工作を始められた、伊藤由加利さんの玉稿を掲載いたしました。[写真・作 伊藤由加利] [文:宮崎清]

目次

  • 表紙 稲藁篭底部の蜘蛛の巣編み 写真・作 伊藤由加利 文:宮崎清
  • 第3回わらの文化交流の集い   秋田県美郷町
  • あらためて漢字「藁」について考える 宮崎清
  • 中国の字典にみる「藁」の漢字  曽和英子(神戸芸術工科大学)
  • 「ああ、もったいない!藁細工をやりたい」  伊藤由加利(長野県安曇野市明科)
  • 戦前~戦後の農・田舎・女性 写真断章   前田智幸
  • 私の生家に残っていたもの    前田智幸
藁 第29号

平成30年2月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

わら小屋のなかの、わらのワンちゃん

東京農業大学科学博物館友の会のサークルのひとつに「わら工芸の会」があります。その作品展で愛らしい佳品に出合いました。作者は、サークルの所定の学習を修了した方々の集いである「ひこばえの会」会員の御厨真澄様。

「なにしろわらのものづくりが大好きで、思いつけばいろいろのものをつくって楽しんでいます」といわれる。子どもたちと一緒に楽しむことができ、生き物をいつくしむやさしい思いが聞こえてくるような作品。

[作:御厨真澄][写真と文:宮崎清 ]

目次

  • わら工芸サークル作品展 第36回東京農工大学科学博物館友の会
  • 農家副業とてしてのワラ工作製品
    大正から昭和戦前期における全国調査結果報告書  宮崎清
  • 美郷わらの会 頑張っています 一ノ瀬繁
  • わら文化伝承の一役を担う 美郷わらの会
  • どんと祭 鈴木弘子
  • 奥会津三島町のサイノカミ 宮崎清
藁 第30号

平成30年2月18日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

「わらを燃したら笑われる」といわれる禁忌を乗り越えて
「わら」に願いを託すサイノカミ

小正月に行われるサイノカミ。「一本のわらの大切さ」を親から知らされその教えを日々の生活のなかで貫徹してきた人びとが、サイノカミの日には、集落の広場に「わら」を持ち寄って、夜空を赤々と照らしながら燃える「わらの火」に健康・豊穣・平穏を祈願します。

貴重な「わら」を燃やしてまで、自然との共生を規範とする人びとの願いが、この火に込められています。[写真と文:宮崎清 ]

目次

  • 美郷町千畑小学校の「わら工作」体験学習 美郷わらの会
  • 想像力を内包する「わら」 宮崎清
  • 人の心、地域の心、自然の心の編織文化  宮崎清
  • 日本のものづくりの素材と日本人  宮崎清
  • 荒川三津三さんからの贈り物
  • なわない&いろり 高柳の伝統文化で女子会
  • 雪中田植え  宮崎清
藁 第31号

平成30年3月8日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

第3回美郷町わらの文化交流の会場に通じる美郷町歴史民俗資料館の玄関口に、わら長沓に活けられた梅の木の小枝などが、私たちを迎えてくれていた。つぼみは小さかったが、みんな膨らみつつあって、なかには3分咲きともいえるものがあった。

どなたが活けてくださったのかわからないが、雪国におけるわらの文化との出会いを見事に演出してくれていた。温かな出迎えに、心が和んだ。

目次

  • 表紙 わら長沓の花入れ[写真と文:宮崎清]
  • 「里山工学」と藁
    久須美雅昭 高知工科大学 地域連携機構 プログラム・オフィサー
  • 秋田県美郷町第3回「わらの文化交流の集い」 写真構成 宮崎清 常田純隆
  • わらボーづくりの様子を伝える 秋田魁新報 20180306
  • わらの文化交流の集いの様子を伝える
    地元新聞 週間美里話題新聞 20180307
  • 台湾膨湖縣花宅集落の古老から伝授された
    草鞋(わらじ)づくりを披露する洪瑀蓁さん
  • 八千年~一万年前の草鞋(わらじ)
  • 南極観測隊同行取材をされた安藤伸一氏にわら沓を贈った佐藤義郎氏
    佐藤氏が制作し贈ったわら沓
  • 佐藤義郎氏から贈られたわら沓を履いて
    南極昭和基地をバックにして立つ安藤伸一氏
  • 六郷地区御台所清水を見学
  • 坂本東獄の田園都市構想を窺い知ることができる、明治30年代につくられた松並木
藁 第32号

平成30年3月30日 「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

ヘドロ

爪掛のある藁の草履。今日的に言うと藁で編まれたスリッパでありサンダルでもある。きれいですね。台の草履を厚くしっかり編んで、その上に爪掛をつけているので、冷たい空気にも足先を温かに守ってくれる。

雪が降っていても、雪が消えないときでも、近所の家などにちょっと出かけるようなときに使用した。足を入れるだけで用を足してくれる、雪国にはなくてはならない履物のひとつであった。角館民俗資料館の展示品。

目次

  • 表紙 ヘドロ 写真と文:宮崎清
  • いまにつぐわら 朽木古屋(くつきふるや)のへしこ 佐藤高志

「美郷町第3回わらの文化の集いに参加して:感想」

  • 「わら文化と地域づくりの学校である美郷町」
    黄世輝 台湾雲林科技大学デザイン学部長
  • 「同じ生活工芸でも違う所で違う文化が生まれます。
    その違いこそ地域の性格と魅力です。」
    洪瑀蓁 台湾雲林科技大学大学院生
  • 「美郷町・雪・藁の文化の集い」詹栩茵 台湾雲林科技大学大学院生
  • 「驚きと感動の楽しい集い」今 和弥 稲垣「藁の会」
  • 「有意義で刺激的な交流会」新岡 豊子 稲垣「藁の会」
  • 「ワークショップはナマモノ」長瀬 公秀 稲垣「藁の会」
  • 稲垣「藁の会」の研修「次は台湾だ!」
    野崎 克行 稲垣「藁の会」会長、野崎 秋、野崎 美幸
  • 「行政と住民が一体となって地域づくりを」尾澤千鶴子 蘖の会
  • 「自分自身を振り返ることのできる楽しい集い」御厨真澄 蘖の会
  • 「気負いのない“藁のぬくもり”に包まれて」
    佐藤厚行 千葉県うらやす市民大学
  • 「百年来の友人の如く」吉川 渉 千葉県うらやす市民大学
  • 「人情味あふれる皆様からたくさんの思い出をいただきました」
    常田純孝 千葉県うらやす市民大学
  • 第3回「わらの文化」交流の集い アンケート結果
  • 交歓 美郷町教育長・福田世喜、奥山智佳等、一ノ宮繁
藁 第33号

平成30年3月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

わら長沓の花入れ

第3回美郷町わらの文化交流の会場に通じる、美郷町歴史民俗資料館の玄関口に、わら長沓に活けられた梅の木の小枝などが、私たちを迎えてくれていた。つぼみは小さかったが、みんな膨らみつつあって、なかには3分咲きともいえるものがあった。

どなたが活けてくださったのかわからないが、雪国におけるわらの文化との出会いを見事に演出してくれていた。温かな出迎えに、心が和んだ。

目次

  • 表紙 わら長沓の花入れ 写真と文:宮崎清
  • 新聞記事 大わらじ 無病息災祈り
  • 新聞記事 生活の知恵を後世に・・・わら細工に取り組み20年
  • 民俗資料藁製品の保存修復の諸問題 宮崎清
  • 図解
藁 第34号

平成30年6月28日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

この莚は祖母が編んだものですから、すでに60年は経過しています。春、ゼンマイを採り、茹でて、揉みながら、天日乾燥されます。それには、莚が最適です。

畳表、ビニールシートなど使ってみたのですが莚に落ち着きました。通気性があり吸放湿性に優れ、早く乾燥させることができます。それに、丈夫で稲わらの鮮度もそのまま残っています。2018.5.1 [写真と文 : 前田智幸]

目次

  • 生活に欠かせない藁莚  宮崎清
    莚のうえでゼンマイを乾燥する。写真 : 前田智幸氏
    写真:宮崎清:山梨県箱原にて
  • 茶話会 写真曼荼羅 2018/02/06
    東京農工大学科学博物館友の会サークル作品展見学の後に
  • 「宮崎先生との和やかな茶話会」蘖の会 尾澤千鶴子
  • 「茶話会に参加して」蘖の会 畠中佳奈
  • 「初めての茶話会」蘖の会 御厨真澄
  • 「わらへの思い」わら工芸サークル蘖の会 籔本 やすえ
  • 「わらのあるくらし」円座の会 斉藤 晴美
  • 「茶話会に参加して」蘖の会 田口浩子
  • 「茶話会に誘われて」円座の会 田代活敏・春子
  • 「手仕事は人をつなぎ、脳も活性化する」
    東京農工大学工学部名誉教授 脳神経科学 中村俊
  • 『藁民具製作・技術伝承者 荒川美津三作品展』 8月末まで
    3230藁塾(みつぞうわらじゅく) 中川ゆう子
    テーマ1「回る蓑」、テーマ2「民具の世界」テーマ3「親子蓑」
  • ◆水田は文化と環境を守る◆各県の事例
  • 短報:棚田での稲作活動も今年で満10年となりました
    神戸芸術工科大学 曽和具之
  • 短報:岡崎市の藁の文化 宇津野隼千
  • 獅子頭、馬の草鞋(わらじ)、代掻きの馬のわら沓
  • さまざまなお力添え、ありがとうございます
藁 第35号

平成30年7月25日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

表紙の写真
2001年9月6日 インドネシア・バンドン近郊農村
kampungnaga 田の稲苗 撮影・宮崎清

バンドン工科大学教授・dudywiyancoko氏とともに、大学にてdesign consultationを終え、車で一時間ほどの村にお邪魔した。

収穫を終えたインディカの籾干し、農家住宅の美しさに堪能しつつ、写真を撮った。

目次

  • 民族芸能としてのワラの文化 宮崎清
  • わらの文化-わらにみる生活の知恵 神戸孝司
  • 続・わらの文化 宮崎清
  • 莚の使用法による呼び名の相違 一ノ宮繁
  • 山は残った 川ョ涸れるな 中村三郎
藁 第36号

平成30年10月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

表紙の写真:富山市山田(旧山田村)

美しいというのは、自然の手入れが行き届いている村だということだ。それが人家の周りばかりではなく、山の上まで目が行き届いている。

村のどこに行っても棚田が美田となって広がっている。おそらくは、この土地には、自然を大切にする共通の価値観、それを伝統文化というのだろうが、それが脈々と守成されているからだろう。

山田の案山子で並ぶ黒豆餅の笹餅は、あんこの入っていない塩味だ。これが好きで買いに行ったら、売り切れていた。JAのスーパーに寄ると笹餅があったので求めた。おなじように2枚の笹の葉を裏にして、十字に重ねつきたての餅を包んであるのだが、JAの店の笹餅は笹に餅がへばりついて、笹にも餅が残った。損したような、笹も食べたくなるような気分になった。

山田の案山子のものは葉の置き方にも工夫があり、はがしやすく、サラリと取れる。餅の柔らかさ加減といい、塩味の後からうきでてくる甘さといい、全くの別物だった。

ここの棚田の米は炊くと光っている。なくなるのも早い。案山子のおばちゃんに「ここの米がうまいねー」といったら「わしら、これしか食べていませんので、わかりません」と笑った。 写真と文:前田智幸

目次

  • 「稲垣わらの会」への研修 美郷町わらの会 高橋久一
  • 蓑ボッチ研修記 尾澤千鶴子 御厨真澄 柿沼千里 一ノ宮繁
  • 稲わらの香 畑中佳奈
  • 荒川美津三氏作品展
  • 美郷町特別展「民藝のモノと思想」
  • お便り:大橋チエ子、中川ゆう子、尾澤千鶴子
    御厨真澄、荒川美津三、一ノ宮繁、追記:宮崎清
  • 続・わらの文化:宮崎清
    美郷町で最新鋭コンバインに乗せていただきました
藁 第37号

平成30年11月20日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

表紙の写真:長野の諏訪市内を歩くと、神社の多いことに驚かされる。諏訪湖南岸の上社、北岸に位置する下社をもつ諏訪大社にまつわる祠なのであろう。

日本最古の神社ともいわれるだけに、関連する祠も数多いに違いない。それとともに、写真のような藁縄の山が、随所にみられる。

七年目に一度行われる御柱祭には藁縄が大量に必要とされ、藁縄なくして御柱祭は成り立たないともいわれる。そのことを象徴するかのような藁縄の山である。[写真・文: 宮崎清]

目次

  • 秋田県美郷町特別展「民藝のモノと思想」
  • 民藝としてのわら細工
  • 柳宗悦と日本民芸運動 宮崎清
  • 台湾草屯鎮稲草工藝節
  • 続・わらの文化
  • 小町枕屏風(通い小町) 葛飾北斎筆
藁 第38号

平成30年12月30日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

穭・稲孫(ひつじ・ひつち・ひづち)
稲刈りをした後の株に再生するイネのこと。

「二番穂(にばんほ)」「穭稲(ひつじいね)」「穭生(ひつじばえ)」とも称される。また、稲刈りのあとに穭が茂っている田は「穭田(ひつじだ)」と呼ばれる。

写真は、11月25日に甲府市の北西に散歩に出かけた折に撮影した「穭田」。一反分ほどの田の根刈り後の風景。緑色をしたイネの赤ん坊が育っている。

イネがイネを成長させようとがんばっている。これを生命の循環というのだろう。自然の哲理である。

蘖・孫生え(ひこばえ)という言葉もある。これは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。同じ生命力の循環を表現する言葉でも、イネと樹木とでは呼び名が異なっている。

今日では蘖の生長を待ってその先につく穂を刈り取って食料にしたともいわれるが、今日では、ほとんど春田起こしの際に掘り起こされ、田に鋤きこまれてしまう。宮崎清

目次

  • 猪勢揃い
  • 「注連飾りをつくりました」美郷わらの会 高橋久一
  • 『しめかざり展』3230藁塾(みつぞうわらじゅく)中川ゆう子
  • 「標 」としての注連縄・注連飾り 宮崎清
  • 「猪をつくりました」美郷わらの会 高橋久一
  • 労作『蓑』発刊と中村コレクション展
  • 蓑作りの文化について-中村貞夫コレクションの調査をとおして-吉川國男
  • 浅草で「藁の道」展 開催されました
  • 「藁の道」展を企画して(株)かまわぬ 森下和昌
  • お便り「藁や」の看板できました 伊藤由加利(安曇野市)
  • 作り手紹介:宇津野昌志さん
  • 「藁の文化」を基底に据えた生活工芸に根差して
    台湾と三島町が交流協定締結「広報みしま」より転載
藁 第39号

平成31年2月15日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

表紙の写真:わらの腰掛・スツールです。

中国ではトン・墩と称して、かつては、太鼓型のわらの腰掛が用いられていたようです。福島県三島町の久保田節子さんにお願いして、つくっていただいたものです。

節子さんは、言葉だけでだいたいの形状についてお話すると、あとはご自分で工夫されて、見事に生活のなかで十分使える腰掛をつくってくださいました。文献によると、平安時代に、宮中の女官たちが腰を掛けるものとして、用いられていたようです。

内部にはわらの稈を束ねたものを縦に立てて、その周りをわら稈をよじりながら細い束にしたものをくくりつけています。上部にはわらの円座を乗せています。座り心地は実にいいです。わらの柔らかなしなりが、優しく体を支えてくれます。[宮崎清]

目次

  • 第4回 美郷町「わらの文化」交流の集い
  • 写真:鶴亀、藁筆、大門〆縄
  • 燃え上がる炎に五穀豊穣や無病息災を願う。三島のサイノカミ
  • 新年は「わらの火」で始まる 宮崎清
  • 国指定重要無形民俗文化財 遊佐の小正月行事 アマハゲ
  • 随想・稲作の国日本 ―米と藁と糠・籾殻そして神事・祭祀―
    青木義脩 浦和郷土文化会会長、さいたま市緑区歴史の会会長、野外研究会副会長
  • 東京農工大学科学博物館 友の会サークル作品展覧会
    展覧会の写真撮影:宮崎清・常田純孝
  • 展示作品鑑賞後に行われた懇親会
  • 集落守る「神面」長野県長野市 大岡地区芦ノ尻集落の道祖神
    写真撮影 宮崎清
  • 続・わらの文化
  • お便り
  • お洒落なわら沓 宮崎清
藁 第40号

2019年5月25日「藁の文化」研究会
編集: 宮崎清

表紙の写真
美郷町の歴史民俗資料館に展示されている肩当て

冬に荷物を運ぶときには橇(そり)を用いたそうですが、その橇を引く際に肩にかかる負担を和らげるために。幅広の肩当て帯が使用しされたのだそうです。矢羽根模様が、実にきれいです。

猫編み(ネコアミ)もしくは猫伏せ(ネコブセ)と呼ばれる技法で作られています。猫編みは、わら四本か六本ほどを二つに分けて緯(よこ)わらとし、それを経(たて)縄にからむようにねじりながら編む技法ですが、緯を経にねじりながらからめる作業が、猫が爪で何かを掻(か)く動作に似ていることからつけられたとされています。

猫編み技法を繰り返して編んでいくと、美しい矢羽根の文様が生まれます。ですから、猫編みは意匠としても活用される編み方です。また、緯を経にしっかりと絡めていく編み方ですので、目がつんで、強度も強いものづくりに繋がります。背中当ての肩掛け帯にみられる猫編みです。猫編みの莚(むしろ)はその代表といえます。

目次

  • 【開催報告】第4回 美郷町「わらの文化」交流の集い
  • 「心の中がじわっと潤う不変の価値」美郷町長 松田知己
  • 感動こそ力「これまで」を「これから」につなげよう 宮崎清
  • ご意見・ご感想の抜粋(原文のまま)
  • 「わらの手しごと」パネルディスカッション
    荒川美津三氏 佐藤義郎氏、柿沼千里氏
    司会:曽和具之氏(神戸芸術工科大学准教授)
  • 「私の生き甲斐 わらの手仕事」わらの文化パネルディスカッション
  • 山形県藤島町農協わら工芸部会の皆様による
    わらの獅子頭演舞、傘と毬の曲芸の写真
  • ワークショップ わらのものづくり「わらの飾り物」づくり
  • 人形作者: 鎌田みき子
  • 福田世喜、及川妃都美、尾澤千鶴子、御厨真澄、柿沼千里
  • 随想 平和につながる愛の意匠 宮崎清

 

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